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礼儀とルールを重んじる文化を持つ日本のビジネスマナー11選

礼儀とルールを重んじる文化を持つ日本のビジネスマナー11選

日本では、礼儀やルールを重んじる文化があります。特にビジネスシーンでは印象や評価に影響するため、日本での商談や仕事の際は日本のビジネスマナーはしっかり押さえておくことが重要です。

今回は、スムーズに仕事を進めるために、日本の基本的な11個のビジネスマナーを紹介します。

1. 役職・年齢・入社時期の順番で敬う

日本の会社内では、①役職が高い人②年齢が高い人③入社時期の順番で敬うのが基本です。顧客や来客の人は、基本的に目上の人として扱いましょう。

自分より目上の人と行動を共にする場合に守るべきマナーは細かく決まっており、それらのマナーを守れる人が「できるビジネスパーソン」として評価されます。それに対し、マナーを守れないと、評価を下げる原因となるため注意が必要です。

適切な振る舞いの例

・丁寧な言葉遣いや敬語を使う
・エレベーターではボタンの操作を行い、後から降りる
・報連相をこまめにしっかり行う
・出張や訪問の際の、移動方法や時間・移動先での食事の下調べを行う
・お辞儀をする
・出社・代謝の時に挨拶をする

不適切な振る舞いの例

・エレベーターに先に乗る
・目の前でスマホを触る・電話をする
・目の前でタバコを吸う
・上司の指示に従わない・反攻する
・移動中に寝る

不適切な振る舞いでも、時と場合によっては容認されることがあるため、マナーを破る時は「すみませんが〇〇してもよいですか?」と一言断るようにしましょう。

2. 会議室や会食・タクシー乗車において上座・下座のルールを守る

会議室・会食の場・タクシーの席次にもルールがあります。

上座=目上の人が座る場所

下座=新入社員や入社歴が浅い人が座るべき場所

会議室や会食時のテーブルでは、基本的に一番奥の席が上座で、何か対応が必要となってもさっと動けるよう、入り口に近い方が下座です。

タクシーでは、運転手の後ろが上座で、下座は助手席となります。

席次マナーでも、顧客や来客は優先されることを忘れないようにしましょう。

3. 初めて会った人との名刺交換は決められたルールの元で丁寧に行う

日本のフォーマルな場では、名刺交換を丁寧に行うのが礼儀とされています。そのため、名刺交換のルールは厳しく決められており、正しく名刺交換が行えていないと、教育をきちんと受けていないと取られ、自身の印象だけではなく、会社の印象も悪くしてしまいます。

日本では、名刺をメモ代わりに使用したり折りまげたり、直接ポケットにしまったりするのは失礼な行為とされています。商談など誰かと会う予定がある場合は、汚れや折れがない綺麗な名刺を用意し、名刺入れにいれて持ち運びましょう。

〇正しい名刺の渡し方

・目下の人から目上の人に先に名刺を渡す
・テーブル越しに渡さない。座っていた場合は、椅子から立って横にずれてから渡す
・名刺は両手で持ち、相手の差し出す名刺より低い位置で差し出す
・自分の胸元から相手の手元に向かって差し出す
・渡す際は会釈をし、会社名・所属部署・名前を言って自己紹介します

〇受け取り方

・相手の会社名や名前に指が被らないよう両手で受け取る
・相手の会社名や名前に指が被らないよう両手で受け取る
・先に目上の人から受け取った場合は、一言謝っておく

さらに、交換した名刺は、商談中はテーブルに出しておきます。商談後に部屋から出る際に、「頂戴いたします」と伝えてから自分の名刺入れの上に置き、丁寧に名刺をしまいましょう。

4. ボディーランゲージ・ボディータッチをしない

日本では、仕事・プライベート、上下関係に関わらず、人と触れ合う習慣がありません。

親しい間柄でもハグやキスをすることがなく、ボディータッチに対して驚いたり嫌がられたりする可能性があるため、注意が必要です。

さらに、握手の習慣もあまりありません。突然握手を求めると、驚いて握手してもらえなかったり、正しい握手の仕方を知らない人も多いため、必要がなければ行わないで良いでしょう。

さらに、日本ではボディーランゲージもほとんど使いません。腕を大きく広げたり、前のめりにすると怒っている・威圧していると勘違いされるかもしれません。

自国に似たボディーランゲージが日本にある場合もありますが意味が違う可能性もあるため、誤解を与えないよう、ボディーランゲージは控えた方が無難でしょう。

5. 本音と建前を使い分け笑顔で対応する

日本では、謙遜が美徳とされており、はっきりと意見や感想を言うことを敬遠する文化があります。日本には「本音と建前」という言葉があり、「自分の本当の考え」と「周りに見せる表向きの考え」は別物であり、親しい間柄でない限り本音を見せないのが礼儀とされます。

その場の雰囲気を壊さないことが優先されるため、商談で本音が違ったとしても、にこやかに笑顔で対応するのが基本です。特に年配の方に対して、感情をあらわにする対応は好まれません。

プレゼン・商談の場合はアイスブレイクとして、はじめにビジネスとは関係のない世間話で場を和ませ、相手との距離を縮めるというテクニックが使われます。これは社内のコミュニケーションとしても使われ、相手に本当に聞きたい質問ではなくても、相手と良好な関係を築くために、プライベートなことを話すことも珍しくありません。

6. 仕事中・商談・会議では自己主張の前に空気を読む

日本人はたいてい、場の空気を読み、その場の全員が不快な思いをしないよう配慮しています。

ビジネスの場で発言する場合、「気分を害さない内容だろうか」「話の流れを遮らないか」など、配慮することが重要です。

強い主張がある場合に、公衆の面前で非難したり・激しいディスカッションを提案すると、空気が読めない・協調性がないというマイナスの印象を持たれてしまいます。

近年では、この日本的な会議の進め方は非効率という考える企業もありますが、所属する会社の考え方やビジネスをする相手の方針に合わせて対応できるようにしておきましょう。

7. 100%できることしか「できる」と言わない

日本では基本的に100%実現可能なことしか「できる」とは伝えません。

ほぼできる状態でないと、できると言われないため、相手側もできることが前提で検討します。それが、後々できないとなると信用問題にもつながり、自社に不利益が生じたり、会社同士の関係悪化のリスクもあるため、「善処します」「尽力します」などの言葉で努力する意思があることを伝えましょう。

もしくは、会社に確認が必要であることを伝え、その場で返事ができないことを、お詫びを添えて伝えることも効果的です。

できるかどうかはっきりしない場合は、明言を避けるのが無難です。

8. 業務時間内・外の区別はあいまいだが開始の時間は厳守する

日本では、業務終了の定時刻になっても必要な仕事が終わっていなければ、残業することが一般的です。ワークライフバランスについては、会社によって考え方は大きく違います。

さらに、歓迎会・忘年会・新年会・送別会などは、社内交流の場として設けられ、プライベートと仕事の間に位置するイベントです。業務時間外ですが、仕事関係のイベントである場合は全く出席しないのは失礼にあたります。

くだけた雰囲気の中で親交を深める目的も持って催されているため、会社が開く会食・宴会は参加するのが無難です。

これに対して、業務や会議の開始時間については厳守する習慣があります。遅刻する人は自己管理ができていない・社会的常識がないとみなされ、信用が低下します。

「時間の厳守」は日本で仕事・商談をする上で、特に外せないマナーと言えるでしょう。

9. シーンに応じてお辞儀の角度を変える

日本人は、相手への敬意を示す方法として、お辞儀をよく使うことは耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

日本では以下のようなシチュエーションで、日本では以下のようなシチュエーションで、とされています。

お辞儀をするシーン お辞儀の種類 お辞儀の角度
人とすれ違う時 軽いお辞儀 15度程度
目上の人と挨拶をする時/ 部屋やオフィスへの入退出時/ 来客の出迎え・見送り時/ 得意先などへの訪問時 一般的なお辞儀 30度程度
部屋やオフィスに入る時/ 感謝・謝罪を表す時 最も丁寧なお辞儀 45-60度程度

10. ビジネスメールは定型文を組み合わせて作る

ビジネスメールは、定型文を上手に組み合わせて失礼がないよう作ることが大切です。

以下の内容を記載し、丁寧に要件を伝えましょう。

・相手の企業名・役職名・氏名

・自分の企業名・役職名・氏名

・要件が端的にわかるタイトル

・本題と要件に合った定型フレーズ

・丁寧な締めの言葉

具体的にどのような定型フォーマットを使っているかは会社によって異なります。まずは、社内の人の定型文やビジネス文書の例を真似て作成すると良いでしょう。

11. ビジネス判断は「組織」が行う

基本的にビジネスの判断は会社組織で行われます。

ビジネスにおける個人の裁量が大きい国もありますが、日本ではビジネスにおける意思決定は組織・グループにより行われます。

決済権が与えられている・部長以上の役職出ない限り、一旦会社に持ち帰って内容を確認した上で、商談やプロジェクトを進めていくのが一般的です。

組織的に判断するため、返答や決定に時間がかかる場合もあります。日本企業・担当者に対して何度も急かしたり、勝手に条件を譲歩して意思決定するのは、社内外問わず評価が悪くなる可能性があるため注意しましょう。

まとめ

自分の国と比較すると、疑問に思う日本のビジネスマナーもあるでしょう。しかし、それぞれの国では重視しているポイントが異なるため、円滑に仕事・商談を進めるために、日本のマナーに沿うよう努力が必要です。

ルールが多くて覚えきれないという場合でも、日本人が重視するポイントを押さえておくことで、臨機応変に対応できるようになります。

日本でのビジネスが上手くいくよう、今回の記事のマナーは最低限気を配ってみましょう。